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瑞々しく、麗しい日々


by kazumism
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続!!)「世界貿易センタービル跡地 復興計画の舞台裏」〜2004年 アメリカ WGBH制作〜

家に帰って、ちゃんとビデオを観てみた。

すると・・・思った以上に毒舌の嵐。エゴだらけの社会!!



コンペでは、州知事に気に入られてリベスキンドが当選!!
しかし、現実には、あの土地を再開発ということで、一つの有力な企業が計画の全ての決定権を持つ。彼らは、とにかく利益を最優先。もちろん美しいことは大前提だけれど、アーティスト性は必要なく、とにかく機能的で、合理的な建築を提案してくれさえすれば良いと考える。
そしてこの企業は、コンペで勝ったリベスキンドは無視して独自に選出した建築家に設計を頼んでいた。
 つまり裏では、全く別の計画が全く交わることなく進んでいたと言う。
 しかし世間的には、著名でなおかつ機能的、合理的な超高層を何度となく手がけてきた建築家と環境や歴史等からのストーリー性、デザイン力に秀でる建築家による、夢のようなコラボレーションとして公表される。

舞台裏は凄かった。
企業が、権力を持つということで、リベスキンドのマスタープランは完全無視。同じテーブルにつくことも無く、進んでいく。表の顔と裏の顔。それでも食らい付くリベスキンド。
エゴとエゴのぶつかり合い!!きれいな言葉でお互いを罵倒していた。
「あなたの案はすばらしい。しかし私の案は完璧なのです」
「決定権は、51:49でうちにある。ならばコンペ案が採用されなかったとしても契約上問題ではない、そゆうこともあり得るのだ。」
  さまざまな批判的意見にもリベスキンドは耐えた。

最終的には、州知事の言葉添えもあり、期限切れということもありで、リベスキンドのマスタープランに少し修正を加えた感じにおさまった。まさにお互いが妥協したという感じ。

印象的だったのは、その凄まじいバトルシーンの合間に入れ込まれた、遺族の方々の大切な人を失った心境を語ったインタビューシーンである。それぞれにあの場所を思い、大切な人を思う一つずつの言葉・表情は、癒えることの無い傷を抱えていることを伝えた。

「ground  0 」は、 経済を動かす大きな可能性を持った場所であり、破裂しそうな思いの詰まった場所である。いろんな人の思いがぐちゃぐちゃに渦まく場所である。


こんな凄まじい実態を本音インタビーとともに番組にするとは、さすがアメリカ。
   ・・・  しみじみ思う、日本じゃあり得ないなと。
by kazumism | 2005-01-27 18:00 | my TV